出自、謎のグレ君。
人馴れしてるからマーみたいな生粋のノラではないんだろうけど、オトーサンみたいに甘えてもこないから飼い猫でもなさそう。
第一グレは、撫でてやろうと手を伸ばすと怯えたように頭をすくめる。
これって、私としてはとってもムカつくんだよね。
マーなんか顔をめがけて勢いよく何度も手を振り下ろしても、
「この飼い主は、五十肩予防の体操でもしてるんだろーか」ってな表情で、目をつぶりもしないぞ。
警戒心に満ち満ちているのがネコの本来の姿だとしても、縁あって私に飼われる身になった以上、
「怯える」という文字が脳裏にあってはならないのだ。
というわけで、疥癬が治ってからは隙をみては撫で撫でしている。
最初の頃は手が体に触れると反射的に爪を立てようとした。
でも、それが自動給餌器(グレから見た私のこと)だと気付くなり宙に振り上げかけた手を止める。
ホヮッツマイケルみたいに、その後踊りだしたら面白いんだけど、さすがにそれはない。残念である。
数日前、初めてお腹を撫でさせてくれた。
食べてる最中、向こう側にお皿を置こうとして覆いかぶさるみたいになってしまい、「しまった」と思ったけど少し首をすくめただけで逃げ出さなかった。
何よりこの前、首根っこをつかんで無理やり抱き上げたんだけど、
「ナー、ナー」と大声で抗議するだけで抵抗しなかった。
ほんに、よくできたお子なのだよ。
もしこれがマーなら
逃亡、クロタンなら
流血、ニゴウなら後日
復讐だ。
だけど、他ネコとくんずほぐれつのケンカをしてる最中に、迷わず抱き上げられるのはマーでありクロタンでありニゴウなんだよね。
途中飼いの難しさがここにある。
それでも、最近は怖々とではなく普通に抱き上げられるようになったし、グレも
「この自動給餌器はどんくさくて、跨ごうとして足が上がらずに蹴り飛ばされることがあるけど、わざと危害を加えることは絶対にない」と認識しだしてくれてるような気がする。
大人になってからだと懐くのに時間がかかるかもしれないけど、決して手遅れでも不可能でもないよね。
ネコの寝込みを襲うのが趣味の私としては、5年後には熟睡中のグレ君に
「ワッ」と覆いかぶされるようになりたい。
でも待てよ。グレ君って今いくつなんだろう?
